フラット35が史上最低金利となる
2019年8月の住宅ローンの金利は、フラット35が史上最低金利となった。また、各金融機関の変動金利も低下傾向の動きとなっている。
主な要因は、トランプ大統領が、昨年のFRBの利上げは誤りで、それを是正するために金利引き下げを、今年に入ってから強く要請しており、7月31日に米連邦準備理事会(FRB)は0.25%の利下げを決めた。
米国の金利引き下げに伴い、日本の日銀も7月29-30日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作で量的・質的金融緩和政策の継続を決定した。
日本銀行の黒田東彦総裁は30日、金融政策決定会合後の記者会見で物価の上昇が失速する場合には「ちゅうちょなく、追加的な緩和措置を講じる」と追加緩和も辞さない姿勢を強調した。
こうした金利低下傾向は「世界的な金利低下傾向」となっており、今後もまだまだ続きそうです。
フラット35の金利はどうやって決まるの?
「フラット35」の金利は長期金利(10年もの国債金利)に連動します。
住宅金融支援機構は、投資家に出資してもらった資金でお金を貸しているのです。
・国が発行している債権を国債といいます。
・住宅金融支援機構が発行している債権はMBS(不動産担保を前提として債権)です。
国債の長期金利に連動することから下記のグラフを見ていただければ分かるように支援機構発行の債券(MBS)も金利が下がってきており8月は史上最低金利となりました。
フラット35の金利の決定方法
「支援機構債券」(原価)の金利に、「上乗せ金利」(コスト)をプラスして金利が決まっています。
「フラット35」の住宅ローン金利推移
年月 | 支援機構債券 (原価にあたる、前月) |
上乗せ金利 (コスト) |
フラット35金利 (頭金10%超、団信あり) |
---|---|---|---|
2019年8月 | 0.210% | +0.960% | 1.170% |
2019年7月 | 0.210% | +0.970% | 1.180% |
2019年6月 | 0.310% | +0.960% | 1.270% |
2019年5月 | 0.330% | +0.960% | 1.290% |
2019年4月 | 0.310% | +0.960% | 1.270% |
2019年3月 | 0.320% | +0.950% | 1.270% |
2019年2月 | 0.360% | +0.950% | 1.310% |
2019年1月 | 0.380% | +0.950% | 1.330% |
2018年12月 | 0.460% | +0.950% | 1.410% |
2018年11月 | 0.500% | +0.940% | 1.450% |
2018年10月 | 0.470% | +0.940% | 1.410% |
住宅ローン利用者としては、この願ってもない金利低下のチャンスをしっかり活用し、より有利な新規借入や借り換えにつなげていただければと思います。
(住宅金融支援機構の「フラット35」の金利が2016年8月の0.900%でしたが、現在は、団体信用生命保険(以降団信)が金利に0.28%含まれて表示1.170%となっているが、実質的には0.89%である)
住宅ローン変動金利について
人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。
そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持してきました。
では7月31日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利はと言えば「-0.071%」とマイナス水準を維持しています。1ヶ月前の金利は「-0.076%」でしたから、こちらも低下し引き続き「異次元の低金利」と言えます。
加えて日銀のこうしたゼロ金利政策=短期金利の引き下げ政策もまた、十分なインフレ状態となるまで続けられますから、「相当の長期間」継続されるのは間違いありません。
そしてそのように短期金利の低下がまだまだ続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。
繰り返しになりますが、そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、「十分なインフレなど永遠に起こらない」かもしれませんしね。
住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の約10年間全く上昇していません。
住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということです。
「変動金利が変動しない」という何とも不思議な状態となっているわけですが、参考になさってください。
金利上昇リスクについて
日銀が金利抑制をやめたら長期金利は暴騰しかねない。
現在は、日本銀行による異次元緩和策で金利抑制が続けられているため、市場機能が働かず、金利の本当の水準が分からなくなっている。
したがって、日銀が金利抑制策をやめると、金利が暴騰する危険がある。
将来の金利上昇リスクに備え、現在の史上最低金利による全期間固定金利の【フラット35】の利用は、将来の住宅ローン破綻リスク回避のためにもお勧めです。
ご相談料は無料です。「フラット35相談センター」(運営会社:A.B.I㈱)では、住宅ローンと生命保険の知識を併せ持ったコンサルタントが、住宅ローンに関する相談、審査、融資に至るまでのサポート、ならびに団信代替生命保険のご提案もいたします。また、A.B.I株式会社は、10年以上、東北地方における住宅ローン業務の旗艦店として「A.B.I株式会社(エービック)仙台営業部」を展開しています。経験豊かな地元出身者スタッフが一人ひとりのお客様のご要望に合わせ身近できめ細かなサービスをご提供しています。ぜひお気軽にお申し付けください。