「収入合算」でのフラット35活用事例
今回のお申込の概要
申込者の家族構成
家族構成 | 年齢 | 職業 | 年収 | 既存借入の毎月返済額 |
---|---|---|---|---|
ご主人様 【主債務者】 |
34歳 | 会社員 | 440万円【A】 (前年440万円) |
合計:73,200円【C】 |
奥様 【連帯債務者】 |
34歳 | 会社員 | 190万円【B】 (前年200万円) |
なし |
長男 | 10歳 | 小学生 | – | – |
長女 | 6歳 | 小学生 | – | – |
購入物件(注文住宅)
土地価格 | 796万円(175㎡) |
---|---|
建物価格 | 2,214万円(110㎡、木造2階建て4LDK) |
諸費用 | 150万円(ローン事務手数料、登記料、火災保険料 等) |
合計 | 3,160万円 |
返済比率と使用ローン内容
本事例の返済比率の計算
上記の家族構成表より、
(直近のご主人様の年収【A】)+(直近の奥様の年収【B】)=630万円が収入合算後の年収となります。
年収に占める住宅ローンと既存借入の返済比率は35%が上限となりますので、
630万円×35%=220.5万円月額にすると220.5万円÷12ヶ月=18.3万円となります。
また、既存借入の毎月返済額は、7.3万円【C】ですので
18.3万円-7.3万円【C】=11万円となり、月額11万円までの住宅ローンが組むことが可能になります。
住宅ローン(フラット35)の借入内容
令和1年9月融資実行
借入額 | 借入期間 | 金利 | 返済月額 | 返済方法 | |
---|---|---|---|---|---|
フラット35 (フラット35S適用) |
2,844万円 | 35年間 |
|
|
元利均等、ボーナス払無し |
プラスローン | 316万円 | 35年間 | 2.15%(変動金利) | 10,712円 | 元利均等、ボーナス払無し |
合計 | 3,160万円 | – |
つなぎローンの内容
フラット35は建物が完成してから融資実行となりますので、通常、「土地代金」、建物を建築するうえでの「着工金」「中間金」をつなぎローンとして利用します。
今回の事例では、下記の「つなぎローン」を利用しております。
土地代 | 796万円 |
---|---|
着工金 | 664万円 |
中間金 | 664万円 |
合計 | 2,124万円 |
*つなぎローン
フラット35は建物竣工後一括融資となります。そのため、建物竣工前の土地の取得費や建物の「着工金」「中間金」は別途ローンを組む必要がある場合があります。このローンのことを「つなぎローン」といいます。
お申込みいただいた経緯と実際のスケジュール
弊社へのフラット35申込の経緯
工務店様から住宅ローンを組むことが難しいため、なんとかフラット35で申込みをお願いしたいと依頼がありました。
ご主人様の年収は440万円ありますので、単純に返済比率を計算すると440万円×35%以下=年間154万円となり、月額12.8万円の住宅ローンを組むことが可能かと思われましたが、ご主人様には既存の借入が月額7.3万円あるため、引き算をすると住宅ローンの借入はどうしても難しい状況となってしまっておりました。
そこで奥様の年収を確認したところ、190万円あることがわかり、それであればと収入合算し、「ご主人様」=「主債務者」「奥様」=「連帯債務者」としてフラット35を利用して借入することが可能な状況となりました。
そうすることでご主人様の年収440万円+奥様の年収190万円=630万円となり、630万円での返済比率35%以下を計算すると220.5万円、月額18.3万円となるため、十分にフラット35での借入が可能な状況となりました。
そして慎重に話し合いを進め、ご主人様の既存借入の月額7.3万円を引き算してフラット35の借入が月額11万円以内に収まるように話し合いを進めていき、申込に至りました。
また、フラット35(総額の9割)とプラスローン(総額の1割)に加えて、土地代、着工金、中間金のつなぎローンも借入する形にし、自己資金を使わないプランを提案し了承していただきました。
申込から実行までのスケジュール
工事請負契約締結
1月17日
土地売買契約締結
2月25日
フラット35事前審査
3月10日
フラット35本申込み
3月26日
フラット35本申込み承認
4月17日
つなぎローン(土地代)融資実行、所有権移転
4月20日
つなぎローン(着工金)融資実行
6月24日
つなぎローン(中間金)融資実行
9月2日
竣工現場検査、建物表題登記完了
9月9日
適合証明書発行
9月17日
>金銭消費貸借契約締結
9月27日
融資実行、建物保存登記、抵当権設定登記
引渡し
今回のフラット35申込によるポイント
今回はフラット35の夫婦収入合算を利用した事例でした。
- 年収合算するので借入額が増やせる
- 団信保険は主債務者か連帯債務者が加入もしくは夫婦二人とも加入が可能
主債務者(ご主人様)の既存の借入は完済する事なくそのまま継続しております。夫婦の年収合算にしたことによる返済比率の枠がいかに大きいか、実感できます。
融資事務手数料や登記費用、火災保険料なども諸費用として借入金に含められ、その総額をフラット35(9割)、プラスローン(1割)のフルローンで組んでいます。
またフラット35は住宅完成後に融資実行となるため、その間の資金はつなぎローンで手当をし、自己資金無しで住宅建築に至りました。
「団信への加入不可の方」のフラット35活用事例
今回のお申込の概要
申込者の家族構成
家族構成 | 年齢 | 職業 | 年収 | 既存借入の毎月返済額 |
---|---|---|---|---|
ご主人様 【主債務者】 |
31歳 | 会社員 | 430万円【A】 (前年410万円) |
合計:1,400円【B】 |
奥様 | 34歳 | 主婦 | 0万円 | なし |
長女 | 1歳 | – | – | – |
購入物件(注文住宅)
土地価格 | 690万円(200㎡) |
---|---|
建物価格 | 2,356万円(114㎡、木造2階建て4LDK) |
諸費用 | 136万円(土地仲介料、ローン事務手数料、登記料、火災保険料 等) |
合計 | 3,182万円 |
返済比率と使用ローン内容
本事例の返済比率の計算
上記の家族構成表より、
(直近のご主人様の年収【A】)=430万円が審査対象の年収となります。
年収に占める住宅ローンと既存借入の返済比率は35%が上限となりますので、
430万円×35%=150.5万円月額にすると150.5万円÷12ヶ月=12.54万円となります。
また、既存借入の毎月返済額は、0.14万円【B】ですので
12.54万円-0.14万円【B】=12.4万円となり、月額12.4万円までの住宅ローンを組むことが可能になります。
住宅ローン(フラット35)の借入内容
平成30年11月融資実行
借入額 | 借入期間 | 金利 | 返済月額 | 返済方法 | |
---|---|---|---|---|---|
フラット35 団信無し (フラット35S適用) |
2,863万円 | 35年間 |
|
|
元利均等、ボーナス払無し |
建築総額3,182万円の9割の2,863万円が借入額
つなぎローンの内容
「土地決済代金」「建物着工金」「中間金」のつなぎローンはハウスメーカー提携のローンを使用。
*つなぎローン
フラット35は建物竣工後一括融資となります。そのため、建物竣工前の土地の取得費や建物の「着工金」「中間金」は別途ローンを組む必要がある場合があります。このローンのことを「つなぎローン」といいます。
お申込みいただいた経緯と実際のスケジュール
弊社へのフラット35申込の経緯
ハウスメーカー様から、持病があり銀行での住宅ローンでは審査が通過しないお客様がいらっしゃるので、フラット35で申込みをお願いしたい。と依頼がありました。
お客様と面談をし、たしかに団信生命保険ならびに一般生命保険にも加入することが出来ない持病があることを確認いたしました。しかしながら、既存加入の生命保険の中に大型の死亡保険が含まれているため、フラット35の「団信無しプラン」で住宅ローンを組んでも概ねリスク回避できることが判明しました。主債務者であるご主人様に万一があった場合には既存加入の生命保険で住宅ローン債務返済に充当することはできますが、すべて債務返済に充当するとその後の生活設計に支障がでる懸念はありますとお伝えしたところ、そのリスクは負うということを確認いたしました。
- 他の借入についてはスマートフォン本体の割賦支払い分が毎月1,400円のみであること
- ご主人様の年収だけで希望の借入額満額を融資可能であること
- 預貯金が十分にあること
の3点を確認したことでフラット35での借入れ申込に至りました。
申込から実行までのスケジュール
フラット35事前審査
4月28日
請負契約締結
5月19日
土地売買契約締結
6月24日
フラット35本申込み
7月6日
フラット35本申込み承認
7月26日
土地代決済、所有権移転
8月23日
設計検査に関する通知書発行(合格)
10月25日
つなぎローン(中間金)融資実行
9月2日
竣工現場検査、建物表題登記完了
9月9日
適合証明書発行
9月17日
金銭消費貸借契約締結
9月27日
融資実行、建物保存登記、抵当権設定登記
引渡し
今回のフラット35「団信無し」プラン申込によるポイント
今回はフラット35の「団信無し」プランを利用した事例でした。
銀行の住宅ローンは団信への加入が条件として求められますので、持病がある方はフラット35の「団信無し」プランの申込が最善です。年収も400万円を超えており35%以内の返済比率計算が適用されるため、ご主人様単独での借入となりました。
事前審査の段階では3,400万円での審査通過となっておりましたが、その後ハウスメーカーとの打ち合わせを重ねた結果総額3,182万円のうち、フラット35融資額はその9割の2,863万円となりました。
フラット35は融資対象となる金額(土地、建物、諸費用)総額の満額の借入が可能ですが、その場合、金利が高くなってしまいます。そのため、総額の9割以下の借入とすることで金利を抑えることに繋がり、つまりは返済総額を抑えることに繋がります。
総額の1割部分(今回の場合は319万円)を別途「プラスローン」として借入することも可能でしたが、自己資金にゆとりがあった事と、借入を増やしたくないとの希望により、319万円は預貯金から捻出して頂くことになりました。
- フラット35では団信への加入は必須ではない
- 融資額を9割にすることで金利を抑えた
「親子リレー(子供家族のみ入居)」でのフラット35活用事例
今回のお申込の概要
申込者の家族構成
家族構成 | 年齢 | 職業 | 年収 | 既存借入の毎月返済額 |
---|---|---|---|---|
お父様 【主債務者】 新居には同居せず |
60歳 | 会社員 | 610万円【A】 (前年580万円) |
なし |
ご主人様 【連帯債務者】 |
32歳 | 会社員 | 290万円【B】 (前年300万円) |
合計:51,100円【C】 |
奥様 | 35歳 | 主婦 | 0万円 | なし |
長女 | 0歳 | – | – | – |
購入物件(注文住宅)
土地価格 | 780万円(180㎡) |
---|---|
建物価格 | 2,250万円(100㎡、木造2階建て4LDK) |
諸費用 | 157万円(ローン事務手数料、登記料、火災保険料 等) |
合計 | 3,167万円 |
返済比率と使用ローン内容
本事例の返済比率の計算
上記の家族構成表より、
(直近のお父様の年収【A】)+(直近のご主人様の年収【B】)=900万円が収入合算後の年収となります。
年収に占める住宅ローンと既存借入の返済比率は35%が上限となりますので、
900万円×35%=315万円月額にすると315万円÷12ヶ月=26.25万円となります。
また、既存借入の毎月返済額は、5.11万円【C】ですので
26.25万円-5.11万円【C】=21.14万円となり、月額21万円までの住宅ローンが組むことが可能になります。
住宅ローン(フラット35)の借入内容
平成31年3月融資実行
借入額 | 借入期間 | 金利 | 返済月額 | 返済方法 | |
---|---|---|---|---|---|
フラット35 (フラット35S適用) |
2,850万円 | 35年間 |
|
|
元利均等、ボーナス払無し |
建築総額3,167万円の9割の2,850万円が借入額
つなぎローンの内容
「土地決済代金」「建物着工金」「中間金」のつなぎローンはハウスメーカー提携のローンを使用。
*つなぎローン
フラット35は建物竣工後一括融資となります。そのため、建物竣工前の土地の取得費や建物の「着工金」「中間金」は別途ローンを組む必要がある場合があります。このローンのことを「つなぎローン」といいます。
お申込みいただいた経緯と実際のスケジュール
弊社へのフラット35申込の経緯
ハウスメーカー様から、住宅を建てたいが既存借入が多く銀行の住宅ローン審査が通過しないお客様がいらっしゃるので、フラット35で申込みをお願いしたい。と依頼がありました。
ご主人様の年収290万円で返済比率を計算すると290万円×30%以下=年間87万円となり、月額7.25万円の住宅ローンを組むことが可能であるが、ご主人様の既存の借入が月額5.11万円であるため引き算をすると住宅ローンの借入はどうやっても困難な状況でした。そこでお父様にご相談いただき、親子リレー方式で収入合算し、「お父様」=「主債務者」「ご主人様(主債務者の息子)」=「連帯債務者」としてフラット35を利用した借入が出来ることになりました。お父様におかれては「息子様名義の口座から毎月の返済をしていく」ということでご了解を得るに至りました。
今回のような親子リレー方式で必ずしも親が入居することが要件ではなく、離れて暮らす息子(娘)夫婦のために連帯で住宅ローンを組む事を目的とすることが可能です。
申込から実行までのスケジュール
フラット35事前審査
8月25日
工事請負契約締結
9月30日
フラット35本申込み
10月26日
土地売買契約締結
10月30日
フラット35本申込み承認
11月26日
土地代決済、所有権移転
11月26日
建築確認済証交付
2月28日
竣工現場検査、建物表題登記完了
3月10日
適合証明書発行
3月23日
金銭消費貸借契約締結
3月29日
融資実行、建物保存登記、抵当権設定登記
引渡し
今回の「親子リレー」でのフラット35申込によるポイント
今回はフラット35の親子リレー(親は新居に入居せず)を利用した事例でした。息子夫婦だけでは住宅ローンが組めないため、お父様にも借入に協力を頂き、年収合算のうえ、主債務者となってもらいました。
上記の他にもございますが、フラット35の親子リレー(親は新居に入居せず)プランは非常に良い仕組みとなっております。ですが新居に住まない親御様、息子様夫婦、ハウスメーカー、金融機関それぞれとの入念な打ち合わせが必要になってきます。そしてその分だけ通常の融資実行までのスケジュールよりも時間がかかっていることがわかります。
ちなみに実際には、息子(連帯債務者)様の既存借入金はお父様の援助により住宅ローン融資実行前に一部完済しております。
総額の1割部分(今回の場合は317万円)を別途「プラスローン」として借入することも可能でしたが、お父様の自己資金にゆとりがあった事と、借入を増やしたくないとの希望により、317万円は預貯金から捻出して頂くことになりました。
- 年収合算するので借入額が増やせる
- 親子リレーなので返済期間が息子の年齢に合わせられ最長35年間で借りられる
- 親子同居が要件ではないので親に住居がある場合、一緒に住まなくてもよい
- 団信保険は主債務者(親)か連帯債務者(子)が加入するか選択できる
- 返済口座は実際に新居に住む連帯債務者の口座を指定できる
フラット35「収入合算」「団信加入不可」「親子リレー」に関するまとめ
今回ご紹介させていただいたのは、お借入れを希望されるご本人の収入や体況(団信の加入の可否)の問題で、お借り入れが困難と思われる方の例です。
まず収入に関しては、例えご本人の収入だけではお借入れが困難な場合でも「ご夫婦」「親子」が協力することでお借入れは可能になります。ご家族で住宅取得について十分お話をされた上でのお借り入れですから、無理なお借入れとは異なります。
また、体況上の問題で団信にご加入できない方のお借入れですが、勿論「団信」は万が一の際に保険金を債務に充当することでご遺族への債務の継承を回避する有効な制度ではあります。当然加入されるに越したことはございませんが、今回の事例の様に加入が出来ない場合や、リスクを知ったうえでご加入いただかない、という選択肢もございます。ただし団信にご加入いただかない場合のリスク(住宅ローン債務の継承)をご家族とよくお話し合いをされることは必要です。その上で、フラット35のご利用をご検討ください。
そして場合によっては「団信」以外の「引受緩和型保険商品」のご利用をご検討されてみるのも良いかもしれません。
住宅の取得は、人生においてとても大きな出来事です。フラット35の借入審査における返済割合は、お借入れされる方の年収によって2区分に分かれていますが、住宅ローンを申し込む際は、現在お住まいの「住宅の家賃」や日常生活のなかで「無理なく住居費に充当できる金額」をベースに、お借入金額を検討することを弊社ではお勧めしております。
- 年収400万円以上の方は年収の35%以下
- 年収400万円未満の方は30%以下
ご注意いただきたいのは、この基準を満たしていれば、機械的にお借入金額を決めていいということではありません。返済割合はあくまで基準であって、お借入れされる方の家族構成やその他固有の事情を十分考慮した上でお借入額を決めることをお勧めします。無理なお借入れは生活の破綻を招く大きな要因となりかねません。
住宅ローンを組む際には、場合によっては専門的な知識を求められるケースもありますので、おひとりで悩まずにまずはご相談ください。住宅ローンと生命保険の知識を併せ持った経験豊かなコンサルタントが、住宅ローンに関する相談、審査、融資に至るまでのサポート、ならびに団信代替生命保険のご提案もいたします。