区分所有建物とは
分譲マンションのように、一つの建物の中に、独立した各戸部分について別個の所有権が成立している建物が区分所有建物となります。その建物の構造上物理的に区分され、独立して住居などの用途に供することができる複数の部分から構成されます。
区分所有法が適用され、次の要件を満たしている必要があります。
- 建物の各部分に構造上独立性があること
- 建物の各部分に利用上の独立性があること。
- 「専有部分」→ 独立した各部分
- 「共用部分」→ 廊下や階段など共同で利用する部分
戸建て二世帯住宅を区分所有とする場合
親族で住む戸建の区分所有建物の場合、登記上は独立しているとはいえ、実態は一体的なものが大半です。こうした物件の一方の専有部分だけを売却したいと思っても、そうした物件を購入する人は期待できないため、処分は難しくなります。
住宅ローンを組む場合、換金性に期待できない物件には担保評価がしにくいため、審査の面では厳しくなります。
また、親族同士で所有する場合に限らず、小規模な木造の連棟式建物の場合、修繕や建替などが簡単にできません。こうしたケースでは、専有部分だけでは不十分なので、すべての専有部分と敷地に抵当権をつけることになります。
【フラット35】の場合、次の条件を満たす場合は二口(別々の申込み)で申し込むことができます。
- 各住居を界壁で区画すること(内部で行き来できない構造にする)。
- 各住居を別々に登記(区分登記)すること。
※ それぞれの住居について物件検査を受けていただく必要があります。
抵当権設定はそれぞれのローン契約の後順位に、お互いに第2順位で担保提供する形になります。
重ね建てとした場合は、建物全体を耐火構造または準耐火構造(省令準耐火構造を含みます)とする必要があります。