販売価格と担保評価のギャップ
中古住宅について、金融機関が担保評価する場合、再建築価格方式で評価するのが一般的です。建物の標準的な建築価格を決め、新築時からの経過年数とその建物の耐用年数から計算します。リフォーム等を行っても、工事価格を上乗せすることはありません。そのため、古い建物になるとほとんど担保評価が見込めない状態になります。
中古戸建の概要確認
中古戸建の場合は、ほとんどが不動産業者仲介による取引であり、物件の内容はチラシ、重要事項証明書、売買契約等により把握することができます。
取引業者は宅地建物取引業法によって顧客に説明すべきことが定められており、これに違反すると行政処分などを課せられます。そのため、重要事項説明書等を見れば、物件に関する問題点は概ねつかめるはずです。
土地は路線価、公示価格による比準価格で評価しますが、建物については経年減価をして評価します。当然、当初の売価は適用できず、流通価格でも評価しないのが通例です。したがって、中古物件の評価は、机上での鑑定評価的金額になります。ここで、売買価格と評価価格の差が生じがちになります。
借換ローンとの違い
尚、借換ローンも中古物件を対象としますが、借換ローンについては、現在居住中の物件であり、何より現在の支払実績が大きな信用評価上の上乗せ材料になるため、建物の担保評価額の200%から300%まで融資を受けることができることもあります。
但し、一般的に現在の借入残高が新規借入の上限金額となります。
旧耐震物件
一般論として、金融機関では旧耐震物件のローンは厳しい扱いとなります。
【フラット35】の場合は、建築確認日が昭和56年5月31日以前(※)の住宅で耐震性の確認ができるものは対象となります。耐震性の確認ができないものは、【フラット35】リノベの要件を満たすリフォームに併せて、機構の定める耐震評価基準を満たすためのリフォームが必要となります。
※ 建築確認日が確認できない場合は「新築年月日(表示登記における新築時期)」は昭和58年3月31日以前となります。
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リフォーム資金と住宅ローン
リフォーム資金については、この担保評価に留意しないといけません。特に中古住宅をローンで購入し、さほど返済が進んでいない場合は、土地だけで相当の担保余力が必要になります。
新築であれ中古であれ、新規に購入するときは時価で評価しますが、リフォーム等の場合は、鑑定評価的になります。近隣の類似中古住宅の売買事例から評価することも可能ですが、一般的ではありません。
【フラット35】 中古住宅の技術基準の概要
耐震評価基準の概要
共同住宅以外(一戸建て・連続建て・重ね建ての住宅)の場合(在来木造工法の場合)
- 基礎は一体のコンクリート造の布基礎等であること。
- 以下の項目の評点を相乗した値(ア×イ×ウ×エ)が1以上であること。
ア.建物の形(整形、不整形の評価)
イ.壁の配置(壁のバランスの評価)
ウ.筋かい等の有無(壁の強度の評価)
エ.壁の割合(必要壁量に対する充足率の評価)
共同住宅の場合
- 構造形式がラーメン構造と壁式構造の混用となっていないこと。
- 平面形状が著しく不整形でないこと。
- セットバックが大きくないこと。
- ピロティ部分が偏在していないこと。
物件検査を省略できる中古住宅
以下の1から4の中古住宅については、それぞれ対応する「【フラット35】中古住宅に関する確認書」を取扱金融機関に提出することで、物件検査を省略できます。
- 築年数が20年以内の中古住宅で、新築時に長期優良住宅の認定を受けている住宅
- 安心R住宅である中古住宅で、新築時に【フラット35】を利用している住宅(※1)
- 築年数が10年以内の中古住宅で、新築時に【フラット35】を利用している住宅(※1)
- 団体登録住宅(※2)である中古住宅で、当該団体があらかじめ【フラット35】の 基準に適合することを確認した住宅
(※1)新築時のフラット35の融資が【フラット35(保証型)】であった場合、この確認書を利用して借入申込みができる金融機関は売主が新築時にフラット35(保証型)を利用した金融機関に限られます。
(※2)団体登録住宅とは、機構と協定を締結した団体が運営する中古住宅の登録制度の対象となる住宅です。