リースバックとは
リースバックは、現在の住居をリースバック事業者に売却し現金を得た上で、リースバック事業者と「賃貸借契約」を結び、家賃を支払うことで売却した自宅にそのまま住み続けることができるという不動産取引の形態です。一方で、リースバックには以下のようなメリットとデメリットがあります。リースバックを検討している方は、メリット・デメリットを正しく理解し、適切に活用することが重要です。
リースバックのメリット
- 自宅を売却することにより売却代金を手にすることができる
- 自宅の売却を誰にも知られることはなく、売却後も引き続き自宅に住み続けることができる
- 自宅所有に伴う固定資産税などの税負担がなくなる
- マンションでは修繕積立金、戸建てでは修繕費などの維持費負担がなくなる
- 相続対策として一定の効果がある
- リースバックをした自宅を将来買い戻すことができる(条件あり)
- 自宅の名義・所有権の変更
- 家賃の発生
- 自宅の売却価格が通常の売却価格より安くなる傾向がある
● 売却代金を生前贈与することができます。
● 売却代金を相続税の支払いに充てることができます。
例:相続人が複数いて相続財産が不動産のみの場合、リースバックを利用して自宅を売却し、その売却代金を複数のその属人の間で分割することができます。
リースバック後の買い戻しには条件がありますが、買い戻し特約をつけることで、解除することができます。この場合は買い戻し価格を基に売却価格を算出することが多く、買い戻し金額は売却金額より高くなってしまう恐れがあるので、契約時の交渉は慎重に進めましょう。
リースバックのデメリット
リースバックによって現金を受け取る代わりに、自宅の名義・所有権が自宅の購入者に移ることになります。将来的に買戻しをしたいと考えている方は、リースバック契約時に買い戻し条件契約を締結しておきましょう。
リースバックによって現金を受け取る代わりに自宅に住み続けるための家賃が発生します。
リースバックを利用して自宅を売却する場合は、家の売却価格が相場より安価になる傾向にあります。価格は不動産の市場価格に基づいて算出されます。一般的にリースバックの売却価格は相場の50%~80%です。
リースバックの活用例
- ローンの返済
- 老後の資金確保
- 相続資産の整理
- 今の家に住み続けていきたい
● 住宅ローンを返済して安心して老後を暮らしたい
● 金融機関からの借入債務、返済を減らしたい
● 老後の生活資金が足りない
● 定年退職後の収入が年金だけでは不安を感じる
● 急な病気で医療費がかさみ、生活費が足りない
● リバースモーゲージの条件があわなかった
● 早めに相続対策をしておきたい
● 独身のため相続財産を整理したい
● 子どもたちに平等に資産を残したい
● 現金が必要だが今の家に住み続けたい
● 離婚等の事情により自宅を売りたいが、引っ越ししたくない
● 子どもの学区を変えたくない
利用する際の注意ポイント
- 賃貸借契約書の重要事項の確認
- 信頼できる業者選び
賃貸借契約の種類(普通借家契約、定期借家契約など)、契約期間、敷金・礼金などの初期費用、再契約の条件などを契約前にしっかり確認することが重要です。
リースバック会社は自宅の購入者ですが、契約以降は貸主です。契約後、長くお付き合いしていく可能性が高く、信頼できる会社選びが重要です。
まとめ
国土交通省は令和4年6月24日公表「住宅のリースバックに関するガイドブック」の中で下記のように記載しています。
「住宅のリースバックとは、住宅を売却して現金を得て、売却後は毎月賃料を支払うことで、住んでいた住宅に引き続き住むというサービスです。リースバックの利用を検討する際には、他の手法とも比較し、その取引の内容が自身のニーズと合致しているかをよく考えましょう。また、売買と賃貸借それぞれの契約内容について十分に理解し急いで契約せず、必要に応じて家族・親族等とも相談しながら、検討を進めるようにしましょう。」
出典元:国土交通省「消費者向けリースバックガイドブック策定に係る検討会」こちら (国土交通省サイトへ移動します)
【ご参考】国土交通省土地総合情報システム(国土交通省サイトへ移動します)
不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を検索してご覧になることができる国土交通省のWEBサイトです。
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