団信に加入できなければ住宅ローンが借りられない
住宅ローンの申し込みをする場合、団体信用生命保険(団信)に加入することが義務付けられます。これにより債務者が亡くなった場合は、保険金によって残りの住宅ローンが返済されます。
生命保険の契約なので申込み時には告知書等での審査が行われ、体況上の問題で加入出来ない場合には住宅ローン自体の審査も通過しないことに繋がります。
フラット35の「団信無し」プランで借入れ
全期間固定金利型住宅ローン「フラット35」では団信保険の加入が任意となっております。持病があって団信保険に申込めない人はフラット35の「団信無し」プランであれば年収要件や返済負担率をクリアすることで住宅ローンが借りられます。その場合、団信付プランと比べ△0.2%の金利が適用になります。
問題点としては、債務者がご主人様の場合、返済途中で亡くなった場合には、残された奥様等が後を引き継いで返済していかなければならないという事です。
そういった不安を払しょくするのに一助となる生命保険がありますので解説します。
引受基準緩和型 収入保障保険
民間生命保険の商品で被保険者が死亡した際に毎月遺族年金を支給する保険があります。その保険の名称を一般的に「収入保障保険」と言います。
収入保障保険と仕組みは同じですが、加入時の診査を緩やかにした「引受基準緩和型 収入保障保険」が一部の保険会社から発売されています。
通常の収入保障保険と異なるのは、引受条件が緩やかなため保険料が割増されている点と、加入後1年間は保障が半分になるところです。
引受基準緩和型 収入保障保険の内容
この保険の具体的な内容は次のようになります。例えば30歳の男性が住宅ローンを35年間借入れ、毎月のローン返済額が10万円の場合には、この生命保険の加入も35年間、死亡保障として遺族年金月額10万円の設定で加入します。従って、保険金受取人である奥様は毎月の遺族年金で月々の住宅ローンを支払っていくことが出来ます。
また、保険金を受け取る際に毎月10万円ずつ満了時まで受け取るのと、残りの保険金を一括で受け取るのを選択することも可能です。ただし、一括受取の場合は毎月受取る場合よりも金額は少なくなります。
遺族年金月額は1万円単位で設定できるため、住宅ローンの毎月返済額が仮に月々78,000円であれば遺族年金月額を8万円に設定するといった具合に細かな調整が効きます。また、住宅ローンの借入期間が30年間であれば保険期間を30年間にすることで無駄なく加入ができます。
注意点は、前述もしましたが加入後1年間につきましては保険金が半分になりますので、遺族年金月額の設定金額を10万円として加入した場合でも、加入後1年以内に亡くなった場合は5万円が保険期間満了時まで続く所です。
どうしても加入後1年間の保障を充実させたい場合は、加入時の遺族年金月額を倍にして、1年間経った時点で保障を半分に減額するのも一つの手法です。ただし保険料が高額となる点と、年齢によって加入限度額が定められているために希望に沿えない場合がある点を留意ください。
告知の内容
「引受基準緩和型 収入保障保険」の加入時の告知事項について記載します。
- 最近3か月以内に、医師から入院または手術をすすめられましたか?また、がんの疑いで再検査・精密検査をすすめられましたか?
- 過去2年以内に、脳卒中、脳出血、脳こうそく、くも膜下出血、心筋こうそく、狭心症、心房細動、ブルガダ症候群 で入院したことがありますか?
- 過去5年以内に以下の病気と新たに診断されたことがありますか?または過去5年以内に入院・手術がありますか?
がん、統合失調症、認知症、アルツハイマー病、動脈りゅう、肝硬変、B型肝炎、C型肝炎、肝炎ウイルスキャリア、慢性肝炎、自己免疫性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、膜性腎症、腎不全、慢性閉そく性肺疾患、肺気腫、慢性気管支炎、間質性肺炎、肺線維症、糖尿病を原因とする網膜症・腎症・下肢皮膚かいよう・神経障害
持病があってもから①~③の質問事項がすべて「いいえ」であればお申込みができます。
これはある保険会社の2020年3月時点の内容ですので詳細は加入前にパンフレット等で確認をしてください。
「団信代わりの収入保障保険」まとめ
住宅ローンを借入したいけど持病があって団信保険に加入出来ず、金融機関に断られた場合には「フラット35」をご利用ください。また、万が一の場合の団信代替保険のご相談も生命保険の知識があるプロにお任せください。
住宅ローンから生命保険までトータルのご相談は、A.B.I(株)が運営しているサイト
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