同じ物件を選んでも、利用する住宅ローンの金利が1%違うと、総返済額には大きな差がつきます。金利1%がどの程度違いを生むか、実際の数字を見て行きましょう。
金利1%の違いで600万円以上も差がつく
住宅ローンは、借入金額が大きく返済期間も長いので、わずかな金利差が大きな支払い額の差になります。金利が1%上昇すると、どのくらいの違いが出てくるのでしょうか?
3,000万円の住宅ローンを、返済期間35年、金利1%、元利均等返済で借りたとします。この時の支払い総額は35,567,700円です。支払利息は556万円です。
もし、このローンを2.0%の金利で借りることになったならば総返済額は41,738,760円、支払利息は1,173万円あまりになります。
わずか1%違うだけで600万円以上も支払利息に差がつくことが分かります。
【事例】借入額3,000万円、35年返済、ボーナスなし
金利 | 1% | 2% | 3% |
---|---|---|---|
毎月返済額 | 84,685円 | 99,378円 1%より+14,693円 |
115,455円 2%より+16,077円 |
総返済額 | 約3,556万円 | 約4,173万円 1%より+約617万円 |
約4,849万円 2%より+約676万円 |
3,000万円の借り入れ、35年返済の場合、金利が1%高くなると、毎月返済額は1万4千円程度も高くなります。この毎月の差額が、35年間分になると、総返済額では617万円以上もの差に。
つまり、もし、3,000万円の住宅を全額住宅ローンで購入したとすれば、金利1%で借りた人よりも、金利2%で借りた人は、同じ物件を617万円以上高い値段で購入したことになってしまいます。
また、もう一つ注目したい点が、金利1%の場合と2%の場合の差よりも、2%と3%を比較した場合の方が差は大きくなるということ。同じ金利差1%であっても、金利が高いほど返済額の差は大きくなります。
金利だけを見ていると、返済額の違いを見逃しがちです。金利が史上最低にある今、返済額でどのくらい違ってくるのかにも、注目しましょう。
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金利が1%上がると借入額が少なくなる
どのくらいの借り入れができるのかは、「毎月いくらなら返済できるか」を基準に考えるべきです。
借入額ありきで、「予定している返済額より、2万円くらい多いけど、どうにかなるだろう」と安易な気持ちで借り入れをしてしまうと、将来的に家計の破綻につながりかねません。
実際には、毎月返済額などから借り入れできる額を計算することが多いでしょう。金利の上昇は、借り入れできる額にも影響してくることになるのです。
【事例】毎月返済額を10万円、返済期間30年の場合の借入可能額、ボーナスなし
金利 | 1% | 2% | 3% |
---|---|---|---|
毎月返済額 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
借入額 | 3,542万円 | 3,018万円 1%より△524万円 |
2,598万円 2%より△420万円 |
上記の表は、「毎月返済額を10万円程度にしたい」と考えた場合、返済期間35年のケースでいくらの借り入れができるのか試算したものです。
金1%では、3,542万円の借り入れが可能ですが、2%になると524万円少ない3,018万円までしか借り入れすることができません。
もし、金利3%で同じ3,542万円を借り入れしようとすれば、毎月返済額は13万6千円あまり。希望の返済額よりも1万3千円も多くなってしまい、ムリな借り入れになってしまう恐れがあります。
金利上昇により予算オーバーとなってしまうという場合には、自己資金を増やす、両親からの援助を受けるなどの方法でカバーするか、頭金を増やせない場合には、購入予算を下げる必要もあるでしょう。
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返済が5年違うとこんなに変わる
総返済額を決めるのは、金利だけではありません。たとえ同じ金額を同じ金利で借りた場合でも、返済期問の長さによって総返済額に大きな差が出てくるのです。
35年返済のメリット・デメリット
住宅ローンを借りるときには、深く考えずに最長の35年返済で借りておこうという人が少なくありません。
たしかに、返済期間が長くなれば、毎月の返済額が減らせますし、借入金額が増やせるメリットがあります。
しかし、返済期間全体を通して見ると利息がかさんで、総返済額が膨らんでしまうデメリットがあります。
たとえば3,000万円を、返済期間30年、元利均等返済、固定金利l.0%で借りた場合、毎月返済額は9万6,491円、総返済額は3,473万円と計算されます。
ほかの条件を変えずに、返済期間を35年にしてみると、毎月返済額は8万4,685円、総返済額は3,556万円となりました。
返済期間が5年長くなっただけで、支払利息(総返済額)は、80万円以上増えてしまいます。
【事例】借入3,000万円、金利1%、ボーナスなし
借入期間 | 借入期間30年 | 借入期間35年 |
---|---|---|
毎月返済額 | 96,491円 | 84,685円 30年より△11,806円 |
総返済額 | 3,473万円 | 3,556万円 30年より+83万円 |
定年までに完済するプランを立てよう
住宅ローンは、現役時代に返し終えてしまうのがおすすめです。
景気がよかった時代には、「定年退職時に住宅ローンが残っていたら退職金で返済し、老後の生活費は年金でまかなう」というプランが成り立ちました。
しかし、十分な退職金や年金が期待できないこれからの時代、退職金や年金をあてにしてしまっては、老後の生活にしわ寄せが来るのは目に見えています。
切りのよい年数でしか設定できないと思っている人が多い返済期間も、実際には1年単位で設定できます。返済期間は、「退職予定年齢-住宅ローン開始時の年齢」 を基準に決めるとよいでしょう。
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