住宅ローンとは
住宅ローンとは、その名の通り、住宅を買ったり改築したりするために金融機関から借りるお金のことです。
通常、数千万円もする住宅を現金で購入できる人は少なく、ほとんどの人は住宅を購入する場合には、住宅ローンを利用し、そして月々の返済をしていくことになります。
ローンは金融機関からの借入ですから、そこには当然利息がかかります。
利息額は、借りたお金=元金に、年間にかかる利息額の割合=金利(%)をかけて算出されます。
ただし金利は年間にかかる利息の割合なので、月々に支払う利息額を算出するには、12か月で割る必要があります。
たとえば3000万円を3%の金利で借りるとすると、1回目の返済では3000万×0.03÷12=7万5000円の利息がかかります。
さらに2回目以降の返済にも、元金の残高に応じて利息がかかっていきます。
このように計算していくと、30年で返済する場合には、利息は約1553万円、総支払額は約 4553万円にものぼります。
(※ローン返済で多く使われる元利均等方式で算出)
毎月のローンの返済では、元金の返済分だけでなく、こうした利息の支払い分も含めた金額を払っていくことになるのです。
利息は、借りている期間に応じて膨らむため、返済期間が長ければ長いほど総支払額も大きくなります。
一方、返済期間を短くすれば総返済額は少なくてすみますが、月々の支払は増えるため、家計の負担は大きくなってしまいます。
したがって住宅ローンを組む際には、仕事の安定性や子供の有無、退職のタイミングなど、自分のライフサイクルや生活のバランスを考慮して、借入金額や返済期間を決めることが重要です。
住宅ローンの種類と借入基準
夢のマイホームの購入には、金融機関から住宅ローンを借りることになるのですが、誰もがそのローンを利用できるわけではありません。その種類と基準を確認しておきましょう。
住宅ローンの種類
住宅ローンの種類は下の図にある通り、大きく分けて①民間ローン、②準公的ローン、③公的ローンの3タイプがあります。
利用者数に関していえば、銀行などが提供する民間ローンが、現在の低金利下では驚くほど好条件でスタートできるからです。
ただし、有利なのは低金利のうちで、金利が上昇すると返済が苦しくなる可能性もあります。
民間金融機関住宅ローンの主な審査内容
民間金融機関は、銀行や信用金庫などが扱う住宅ローンで、以前は勤務年数や年収面など厳しく問われていましたが、銀行自体の貸し出し先数や金額の減少に歯止めがかからないこともあり、現在では勤続年数を問わない銀行もあり緩和されるようになってきました。
審査内容は各金融機関によって違いますが、主な内容は図のとおりになっています。
フラット35の主な審査内容
住宅金融支援機構のフラット35を利用するメリットとしてあげられるのが、金利が固定金利ということ毎月の返済額も変動することがなく、住宅購入後の生活における資金計画が立てやすいこともあり利用する方も多いです。
住宅ローンの借入期間
現在の住宅ローンは、完済時の年齢が80歳までというものが多くなっています。厚生労働省発表の「簡易生命表(令和3年)」によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっています。私たちの寿命は延び続け、「人生90年時代」を迎えつつあるといえるでしょう。安心で快適に生きるために、何歳までがローンの妥当なのか、無理のない計画が必要です。(参照:厚生労働省HP)
定年の年齢を確認する。
まず、サラリーマンの場合、定年というものがあります。かつては「定年=60歳」といったイメージがありましたが、現在では65歳といった会社も増えているようです。
しかしその反面、終身雇用や年功序列といった雇用形態を維持できなくなっているのも事実です。
そのうえ、65歳からもらえるべき年金も、現在のお年寄りの方々が受給している金額より減ってしまうことが確実となっています。
将来の、特に老後の先行きが不透明な状況では、老後に大きな負担を残す住宅ローンは避けたほうが無難かと思われます。
期間は長めに、繰り上げ返済を活用する。
老後に住宅ローンを残さないように、60歳までに返済を終えてしまう生活設計もいいのですが、そのために毎月の返済額が過大となってしまうのは避けたいところです。
そこで、勤務先の会社が、どのくらいの退職金を支給してくれるのかといったことも、事前に確認しておきましょう。
毎月の返済は、生活にゆとりを持てるように、返済期間を長めに設定しておくことが大切です。そして、退職金などで繰り上げ返済をするというのが、理想的な生活設計だといえます。