住宅購入時に必要となる「諸費用」とは
住宅を取得する際には、建物本体価格の他に、伴って発生する各種の諸費用を支払う必要があります。諸費用とは、手数料や税金のことで、住宅ローンに含めることができるものと、できないものがあります。
新築マンション購入時の諸費用は本体価格の3~5%程、建売住宅や中古住宅の場合は6~8%程、注文住宅の場合は土地建物の合計額の10~12%程が諸費用の目安とされています。
住宅ローンに含めることができる諸費用
以下の費用は住宅ローン本体に組み込むことができます。これらの諸費用をローンに組み入れる事で頭金の準備を少なくすることができますが、諸費用分にも金利を含めて返済することになることも考慮に入れておきましょう。
- 売買契約や建築請負契約、住宅ローンを借りる契約の際の印紙税
例えば、不動産売買契約(1000万円超、5000万円以下の場合)は印紙税1万円、工事請負契約(1000万円超、5000万円以下の場合)は印紙税1万円、金銭消費貸借契約(1000万円超、5000万円以下の場合)は印紙税2万円となります。 - 住宅ローンを組む金融機関に支払う費用(融資事務手数料、住宅ローン保証料)
例えば、金融機関Aでは「住宅ローン手数料3万円+税と保証料一括で数十万円」、金融機関Bでは「住宅ローン手数料 融資額×2%+税と保証料不要」等です。金融機関や融資条件によって金額や支払タイプの違いがありますので、事前に確認が必要です。 - 登記に関する費用(所有権や抵当権設定にかかる登録免許税、司法書士・土地家屋調査士への報酬)
注文住宅等で土地の取得が先行する場合は、土地購入時と建物完成時の2回登記手続きが必要になります。 - 火災保険料・地震保険料
保険会社が引受可能な期間である最長5年分を一括して支払うのが一般的です。 - 不動産会社に土地や住宅を仲介してもらった場合の仲介手数料
売買価格が400万円超の場合、物件の(3%+6万円)+税が上限となります。(400万円以下の場合は上限額の計算が異なります) - 建築確認等の各種申請費用
建築確認申請費用や、長期優良住宅認定のための申請費用、適合証明書申請費用などが必要になります。 - 地盤調査費用、地盤改良費用、水道負担金、ホームインスペクション(住宅診断)費用
注文住宅で取得する土地によっては地盤調査・改良が必要であったり、水道負担金が発生する場合があります。また、中古住宅購入時にホームインスペクションという住宅検査費用がかかる場合があります。
住宅ローンに含めることが出来ない諸費用
入居後に支払う税金等の、住宅ローンに含めることが出来ない費用を以下にまとめます。
- 住宅の不動産取得税
不動産取得税は、住宅取得にかかる地方税です。税額は、「課税標準額×税率」で計算され、課税標準額とは取得した金額ではなく、固定資産税評価額が使われます。税率は4%ですが、現在、土地と住宅については、軽減税率として3%が適用されています。 - 固定資産税・都市計画税
中古住宅を購入する場合は、旧持ち主と日割りで按分して固定資産税・都市計画税を負担します。旧持ち主が年度分を支払い済の場合、取得日以降の分を旧持ち主に支払って清算します。 - 引越し費用、新居のカーテン・家具・家電費用
住宅金融支援機構が調査した内容によりますと、新築住宅購入者の平均引越し費用は16.0万円。中古住宅を購入した場合は19.1万円となっております。また、家具や家電などの耐久消費財の平均購入額は、一戸建てを建築した場合は201.0万円、新築の建売住宅を購入した場合で105.1万円、新築の分譲マンションを購入した場合は85.9万円、中古住宅を購入した場合で71.1万円となっています。これらは住宅購入時には無視できない位の大きな金額になりますので、資金にはある程度の余裕が必要と言えます。
諸費用ローンとは
住宅購入時は、土地・建物・住宅ローンに含められる諸費用を計算して、必要な部分の住宅ローンを組みます。そして引越代や家具・家電については手持ち資金にて支払うのが原則です。
しかしながら、手持ち資金に余裕がない場合には、別途「諸費用ローン」を利用することもできます。通常の住宅ローンと比べると金利が高めのことが多いですが、使い道は原則自由となっているため、引越代や家具、家電を揃えるために使用できます。
ただし、このローンは取扱いをしている金融機関が限られています。
まとめ
住宅購入時の諸費用は百万円単位となります。これらの諸費用まで含めて住宅ローンの借入は可能ですが、その分の金利も考慮しておくことが重要です。そのために、自分の手持ち資金との兼ね合いで全体の資金計画についてよく検討しましょう。
まず頭金を貯めて自己資金で支払うことが出来るかどうか、次に住宅ローンに組み込めるものはローンに含め、含められないもの(引越代、家具・家電)についてのみ現金で支払うことにするかどうか、最後に引越代・家具・家電については諸費用ローンを利用するかどうか。
これらの選択肢を以下の順番にて検討する必要があります。
ただし、諸費用ローンを利用する場合、年収に対する返済負担率の条件をクリアする必要がありますし、金利が高めの設定でもありますので慎重にご検討ください。
- 諸費用全てを自己資金で支払う
- 住宅ローンに組み込めるものはローンで、組み込めないもの(引越代、家具・家電)だけを自己資金で支払う
- 引越代、家具・家電についても「諸費用ローン」を利用して支払う
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