フラット35でペアローンをご利用いただく場合、ペアの方それぞれが別々の団体信用生命保険(団信)に加入することができます。フラット35に標準付帯している新機構団信は保険料が金利に含まれており、あえて団信に加入しない場合は金利が▲0.2%控除されます。また、3大疾病の保障を付加した保証内容も選択することができます。団信の制度を最大限に活用するために、それぞれの加入の仕方を検討してみましょう。
団信の内容を分けて利用することが可能です
ぺアローンをご利用の場合、ペアの方がそれぞれリスク管理をするうえで、下記のような利用が可能になります。
- 双方が新機構団信もしくは新3大疾病付機構団信に加入。または、片方だけ新機構団信もしくは新3大疾病付機構団信に加入
- 片方が新機構団信もしくは新3大疾病付機構団信を利用し、もう片方の方だけ一般の民間生命保険に加入して生命保険料控除を利用
- 双方とも団信に加入せず、それぞれが別の民間生命保険に加入し生命保険料控除を利用
住宅ローンの契約と同時に団信に加入する場合、ペアの双方の保障が十分な内容になっているか検討することが大事です。場合によっては「かけすぎ」といえることもあり、その保証を見直すことで無駄な支出を削減できたりすることもあります。
「連帯債務型」と「ぺアローン」の場合の団信加入方法の違い
ペアのお二人(夫婦・婚約者・内縁関係の方等)が協力して住宅ローンを借りる場合、主債務者と収入合算者が連帯して1件のローンを借りる連帯債務型ローンと、それぞれが主債務者となって2件のローンを借りるペアローンがあります。
それぞれの借り方によって、団信の利用の仕方にも違いがあり、フラット35の場合、ペアローンにすると双方が新3大疾病付機構団信を利用できる等のメリットがあります。
連帯債務型 | ペアローン | |
---|---|---|
ローン契約者 | 一人(どちらか一方) 片方が連帯債務者 |
二人(それぞれ) |
団信契約者 | 契約者一人 契約本数1本 |
それぞれ 契約件数2本 |
ペア連生団信 (デュエット) |
利用可能 | 利用不可 |
新3大疾病付 機構団信 |
契約者付加可能 ペア連生団信(デュエット) には不可 |
それぞれ付加可能 |
団信の種類
団信と一般的な生命保険の違い
団信加入にあたって、現在加入している生命保険の保障内容やコストもチェックして、ライフスタイルに合わせた適切な保障内容を維持していくことも必要です。
団体信用生命保険 | 一般的な生命保険 | |
---|---|---|
保険料 | 年齢による増減なく一定 | 年齢によって違ってくる (一般的に若い方が安い) |
保険料の支払方法 | ローン金利に含まれる | 口座振替 クレジットカード |
生命保険料控除 | 対象外 | 対象 |
フラット35の団体信用生命保険
フラット35の団体信用生命保険には、新機構団信と新3大疾病付機構団信の2種類があります。
新機構団信
* 申込可能年齢:告知日現在満15歳以上満70歳未満
* 保障内容:次のいずれかの場合に、保険金が支払われます
・死亡したとき
・身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けたとき
* 保障期間:満80歳の誕生日の属する月の末日まで保障されます
* 保険料:フラット35の借入金利に含まれます
新3大疾病付機構団信
* 申込可能年齢:告知日現在満15歳以上満51歳未満
* 保障内容:次のいずれかの場合に、保険金が支払われます
新機構団信の内容に加えて
・3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)が原因で一定の要件に該当したとき
急性心筋梗塞、脳卒中を発病した場合は、「所定の状態が60日以上継続」したと診断されたときだけでなく、「治療を直接の目的として所定の手術」を受けたときも保障されます。
・公的介護保険制度の要介護2以上の状態または所定の要介護状態に該当したとき
* 保障期間:満75歳の誕生日の属する月の末日まで保障されます
満75歳の誕生日の属する月の翌月1日からは新機構団信の保障内容になります
* 保険料:フラット35の借入金利+年0.24%上乗せになります
・新3大疾病付機構団信は、ペア連生団信(デュエット)にはご利用いただけません
ペア連生団信(デュエット)
ペアローンではなく、連帯債務型を選択された場合に、ペア連生団信(デュエット)に加入できます。
* 申込可能年齢:ペアの2名ともに、告知日現在満15歳以上満70歳未満
* 保障内容:次のいずれかの場合に、保険金が支払われます
・死亡したとき
・身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けたとき
* 保障期間:満80歳の誕生日の属する月の末日まで保障されます
* 保険料:フラット35の借入金利+年0.18%上乗せになります
・新3大疾病付機構団信はご利用いただけません
留意しておきたいこと
ペアローンに限らず、団信加入者が亡くなって保険金が支払われた場合、保険金の受取人は金融機関なので保険金に対して課税されることはありません。但し、残された片方が、住宅の持ち分を相続することになることが想定されます。その場合は相続税の対象となります。相続の方法以外で同持ち分を取得する場合は取得税の対象となります。
片方が支払いを肩代わりした場合
ペアの片方が住宅の持分割合を超えてもう一方のローン支払を肩代わりして支払った場合、その分は贈与となり、課税の対象となります。
団信不加入の場合
民間の住宅ローンでは、団信の加入をローンの条件としていますが、フラット35では団信の加入を義務付けてはいません。そのため、健康上の理由などで団信へ加入できない場合はフラット35の選択を検討することになります。但し、住宅ローンを契約したなら、団信に加入しない代わりに必ず借入額に見合った保険等に加入するようにしましょう。特に、ペアローンの場合は片方に万一のことがあった場合、残された片方への負担が大きくなりますので十分な留意が必要です。
一方のお客さまに万が一のことがあった場合
ペアローンの場合、団体信用生命保険は個別にご加入いただくため、一方のお客さまに万が一のことがあった場合、もう一方のお客さまはご自身の債務については返済を継続する必要があります。